意外と知らない屋根・外壁塗装の下地処理の重要性!

2023.05.11

九州市で外壁塗装を行っている、澤野健装です。
先日、お客様より「下地処理をしないとどうなるの?」とのご質問を受けました。

塗装を行ううえで、「下地処理こそ一番重要な作業だ」という業者は少なくありません。
一般の方からしたら、下地処理の作業は目にする機会は少ないと思います。

そこで今回は、「下地処理の重要性」や「下地処理の内容」、「下地処理を行わないと起きる弊害」などを紹介していきます。

■下地処理とは

下地とは、屋根材や外壁材の地肌(素地)や塗料を塗られていた膜(旧塗膜)のことをいいます。
下地処理は、この素地を補修や強化するための処理です。塗装工事の前に塗装面の状態を整えるのが目的です。

この処理の手を抜いてしまうと、どんなに高機能な塗料を使っても耐用年数まで持たずに剥がれが起きたり、初期不良が起こる可能性があるため、下地処理こそ一番重要な作業だという業者も少なくありません。

■下地処理の重要性

下地処理は、防水性と耐久性を高める作業です。

下地処理を行わずに塗装を施すと、旧塗膜の剥がれていた部分やひび割れ(クラック)が発生していた部分の塗装に、塗料が均一に付かず仕上がりに影響してしまいます。
またせっかく高機能な良い塗料を使用しても、下地処理がきちんと行われていないと内側の古い塗膜といっしょに剥がれ落ちてしまい、塗膜の耐久性が著しく落ちてしまいます。

屋根・外壁材や塗料には数多くの種類があり、クラックやサビが発生しやすいものもあるため、下地処理をする前に、屋根・外壁材の種類をあらかじめ把握しておくことが大切です。

■下地処理の作業内容

〇高圧洗浄


・高圧洗浄とは

塗装工事の際に行う非常に大切な作業です。塗装面の表層にある古い塗膜を取り除くために行われています。
もちろん古い塗膜以外に、コケやカビ、サビ・チョーキングの粉や汚れなど塗装面のさまざまな汚れをまとめて落とすことも高圧洗浄の目的です。

・使用する道具
高圧洗浄を行うときに使用するのが、電動式の高圧洗浄機です。
昔はブラシやサンドペーパーなどを使用して手作業で汚れを取っていました。しかし、チョーキングの粉を取りづらいことや凹凸のあるリシンなどの塗膜が落ちないなどの欠点などがあるため、現在では、高圧洗浄機が使用されることが一般的になりました。

昔からある業者の中には、今も変わらず高圧洗浄機を使用しないところもあるようです。
高圧洗浄機が普及してまだ30年ほどと時間もさほど経過していないため、昔ながらの作業を行う業者がいてもおかしくはありません。

もちろん高圧洗浄機がメリットばかりとは言えません。

①水道代が施主側の負担になる
②使用中は騒音が出る

などのデメリットも存在します。

〇クラック補修


・クラックとは

塗装してから時間が経過すると、経年劣化によりひび割れ(クラック)が発生します。
クラックの多くは、モルタルや鉄筋コンクリートにできることがほどんどです。
クラックの主な原因は、塗膜の劣化や地震、乾燥・建築時の欠陥や設計ミスなどが考えられます。

またクラックは2種類あり、髪の毛ほど細いひび割れの「ヘアークラック」と、名刺などの厚さのものがすんなりと入ってしまう「クラック」に分けられます。
”ヘアークラック”は塗膜に生じていることがほとんどのため早急な補修は必要ありません。しかし、クラックは、屋根・外壁材の致命的なところまで届いている可能性が高いため早めな対処が必要です。

クラックの状態が進行すると、建物の寿命を短くすることにもつながるので、クラックを軽いものと見ない方がよいでしょう。
しかし、すぐにどうこうなるものではないため、様子を見つつ専門業者に対処を仰ぐのもオススメです。

〇シーリング補修


・シーリングとは

シーリングとはつなぎ目や隙間を埋めるもので”コーキング”とよばれることもあります。
建物は建物全体の歪みやボードの伸縮によって日々わずかに動いているため、つなぎ目となるシーリングはそのボードの動きに追従して、揺れを緩和させる役割を持つため柔軟性が必要です。

シーリングの劣化は、シーリング材に含まれる可塑剤(かそざい)が原因にあげられます。
可塑剤は長年紫外線を浴びると、気化して外に放出されていきます。
経年とともに柔軟性がなくなっていくことで、ひび割れを起こし、そこから雨水が浸入すると雨漏りが発生する原因にもなるので注意が必要です。

〇ケレン


・ケレンとは

ケレン作業とは、屋根の板金、金属の手すり・鼻隠しなどの付則体部分のサビをとるために行われる作業です。

ケレン作業の目的は、

①塗料を長持ちさせる
②塗料を密着させる
③美観を美しくする

ということがあげられます。

どんなに高機能な塗料を使用しても、ケレン作業がおろそかになるとせっかくの塗装が長持ちしません。
悪徳業者などはこちらの作業を省くこともございますので、「ケレン」という作業が施工内容に入っているか、見積りをしっかり確認しましょう。

■下地処理を行わないと起きる弊害

〇クラック(ひび割れ)


原因は、塗膜が劣化していることはもちろん、塗装作業が不十分なことも考えられます。作業中にきちんと乾燥されずに上塗りされたり、塗膜の上に硬い性質の塗料を塗っていたりすると、ヘアークラックが起こりやすくなるでしょう。

屋根・外壁材に起こるクラックには、症状が軽く浅いものから重く深いものまであります。モルタルの乾燥が原因で起こるひび割れ(乾燥クラック)、建物欠陥や歪みで生じるひび割れ(構造クラック)、塗装作業が中断またはあとから追加したことで起きるひび割れ(縁切りクラック)があります。

〇塗膜の剥離


塗膜の剥離の原因はさまざまです。

・下地処理がされていない
高圧洗浄やケレン作業が不十分だと、塗料が付着せず剥がれやすくなあります。

・下塗りをしていない
上塗りだけでは塗料が密着しづらく剥がれやすくなります。工事が終わってしまうと、一見しただけでは判断ができません。
しかし、下塗りをしていないという悪徳業者もいるので、金額だけで見積りを判断しないようにしましょう。

・乾燥時間を守っていない
塗料には、決められた乾燥時間があります。しかし、その乾燥時間を守らずに塗装を行ったり、無理やり乾燥時間を早めたりしている可能性があります。

・汚れがきちんと落ちていない
高圧洗浄をきちんとしていないため、古い塗料が落ちていなかったり、表面に油分やカビ、ホコリ・水分などが残っていたまま塗装している可能性があります。

・塗料に不備があった
①水性塗料を薄めて使った
②下地が塗料にあっていない
③最低塗布量を守っていない
④屋根・外壁材に適していない塗料を使用した

・温度や天候管理をしなかった
雨天の場合にも作業を行ったり、温度や湿度を守らずに施工をしてしまった可能性があります。

〇塗膜の膨張

塗装の膨れの原因は複数ありますが、主に経年劣化と施工不良があげられます。

・経年劣化が原因
年数がたつと塗膜の劣化や外壁にひびが入り、雨水が浸入します。
下地と塗膜の間に水が溜まる場合があり、放っておくと建物の中にも雨水が浸入して雨漏りを起こすでしょう。
また屋根・外壁材や仕上げ塗料の中に水がたまることで、急激に温度が上昇した際にそれが水蒸気となり、やわらかくなった塗膜の内側の水分が押し上げ、膨れが発生します。

・施工不良が原因
高圧洗浄が不十分で塗装を重ねると、重なったところにカビが発生してしまい、塗膜が膨れてしまいます。ほかにも下地を塗った後に感想が不十分な状態で上塗りをしたり、凹凸のある外壁を塗装した際に、隙間や水蒸気が残ったままでいると、気温が高い夏場に膨張することもあるでしょう。

■まとめ


屋根・外壁塗装は下地処理がされていないと、どんなに高級で高機能な塗料を使用しても本来の効果が発揮されずに、初期不良を起こしてしまう可能性があります。
屋根・外壁材や劣化の状況によっても下地処理の方法は違いますが、どのような形であってもきちんと下地処理を行うことが大切です。

ただし、いくら施主側が下地処理の大切さを理解しても、施工業者がしっかり作業をしてくれないと意味がありません。
金額が安いからといって、このような悪徳業者には注意しましょう。

今回の記事が、屋根・外壁塗装を行うときの参考になりましたら幸いです。

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